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みやわき健康薬局  宮脇 崇

なぜ、女性は更年期以降になると高血圧になる人が急激に増えるのか




さて、今回は「なぜ、女性は更年期以降になると高血圧になる人が急激に増えるのか」というお題でブログを書いていこうと思います。


まず、高血圧の説明をします。


高血圧=135/85以上


高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。緊張している時や運動時、トイレを我慢している時などに血圧が上昇しているものの、平常時は正常な場合は高血圧とは呼びません。


境界域(上が130~140/85~90の間)である場合は、至適血圧(120/80以下)に比べ、動脈硬化は2.5倍、脳梗塞は3.1倍のリスクがあるということが分かっています。




更年期までは女性よりも男性の方が圧倒的に多い


若い方の高血圧は男性の方が女性よりも多いという傾向があります。しかし、閉経期以降の50~60歳代では男女の患者数はほぼ同じになるほど、女性の罹患者が増加します。


問題は男性に比べて女性は血圧の管理が難しくなること。男性は2人に1人が血圧値を正常域にまで薬などによって下げることができますが、女性は3人に1人しか下げることができません。


血圧は血管に対する血液の圧力です。なので、血液の量が多いと上がります。若い男性に多いのが過食や男性ホルモンによるもの。食べ過ぎ飲み過ぎや男性ホルモンの活性化は血液の量を増加させ、結果、血圧が上がりやすくなります。


なので、若い男性はどうしても上昇しがちになります。


ではなぜ女性は更年期になるに従い急に血圧が上がり始めるのでしょうか。




その理由は女性ホルモンの減少

また女性ホルモンか…と思う方も多いかと思いますが、女性の疾患にはほとんどといっていいほど女性ホルモンが関わっています。


女性ホルモンにはコラーゲンを代謝するという働きがあります。コラーゲンは全身にある身体構成成分となっています。骨、皮膚、軟骨、血管、目、軟骨、バストなどに多く含まれています。


コラーゲンは細胞と細胞とをくっつける接着剤のような役割をしています。


更年期となり、女性ホルモンが減少するとコラーゲンの合成が低下するので全身のコラーゲン量が少なくなります。それにより、肌のシワ、骨粗しょう症、疲れ目、関節痛などの症状が出やすくなります。


そして、当然、血管のコラーゲン量も不足してきますので、血管が線維化しやすくなり、結果、柔軟性が低下します。柔軟が低下して硬くなると、圧力を吸収できにくくなるので血圧が上昇します。


更年期はその他にも血圧に対して様々な悪影響を及ぼします。


✅更年期が血圧を高くする原因

  • 血管のコラーゲンが低下→血管が硬くなる

  • 自律神経が不安定になる→血圧が乱高下しやすい

  • 相対的に男性ホルモンが増加→交感神経が活発になる+血液量の増加→血圧上昇しやすい

  • 塩分が排せつされにくくなる→血中水分量の増加

これら原因が更年期によってもたらされるので血圧が上がりやすくなり、更に男性よりも血圧の管理が難しくなります。


男性の場合は飲みすぎや食べ過ぎが原因なので余計なものを排泄させることや、食事や運動などの生活習慣の是正で改善できますが、女性の場合は血管の硬化が主な原因となっているので下がりにくいという特徴があります。




どのような改善法があるのか


まずは標準治療を試みましょう。血圧が高い状態が四六時中続いているという場合は病院にて治療します。


そうした上で不足している女性ホルモンの代わりとなる食材を積極的に摂るようにします。

「肉、魚、乳製品、卵、大豆製品」これらたんぱく質が女性ホルモンの元となります。なので、全体のバランスを重視しながら積極的に食べるようにします。


その上で、血管が硬くしてしまう活性酸素や血管壁の脂質をお掃除してくれる食材「青魚、鮭、緑黄色野菜、玉ねぎ、フルーツ、海藻、キノコ、ゴマ、ナッツ」なども積極的に摂るようにします。


更に過剰な塩分を排泄するカリウムを多く含む「野菜、果物、海藻」などもしっかり食べるようにします。特に海藻は血圧管理に役立ちます。



運動も大事になります。特に役立つのがストレッチ。筋肉を伸ばすことによって血管も伸びます。血管を伸ばすと一酸化窒素という血管を柔軟にする物質が分泌されるので血管を柔軟に保つことができます。


また質のよい睡眠の確保も必須です。しっかりたっぷりと眠るようにしましょう。



漢方薬では

  • コラーゲンを含む婦宝当帰膠

  • 女性ホルモンの材料+血管拡張+水分排泄効果のある当帰芍薬散

  • ストレス低減作用のある加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蠣湯

  • 女性ホルモン増加+自律神経を安定させる六味丸、杞菊地黄丸、七物降下湯、釣藤散などの漢方薬

  • 血管内の活性酸素を除去する冠元顆粒、冠脈通塞丸、桂枝伏苓丸

  • 血液自体の増加を抑制する大柴胡湯、竜胆瀉肝湯

などが適応になります。




お悩みの方はぜひみやわきまでご相談くださいませ。





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