こんばんは^^みやわき健康薬局の宮脇です。いや~、ザ・梅雨といった天気が続いていますね。この気温、湿度、雨が降ったりやんだりの感じ。梅雨ですね。
さて、そんな梅雨時にお送りする今回のブログは「ナリピタンは本当に耳鳴りを改善する効果はあるのか?」という挑戦的な内容になります。
小林製薬さんに喧嘩を売ってるのか!?という内容になっていますが、決して喧嘩を売っている訳ではありません。あくまでも、一般の方々への利益となるための検証です。
ナリピタンという薬のご紹介
ナリピタンとは小林製薬から発売されているOTC(一般用医薬品)になります。
その成分は漢方薬として活躍している当帰芍薬散(2分の1の量)になります。
そうなんです。我々が取り扱っている当帰芍薬散と全く同じなんですね。単に名前をナリピタンという名前に変え、更に量が半分にされて販売されています。
そこで、その当帰芍薬散が耳鳴りに効くのか?についてご説明します。
この商品を見た時、正直「ほう、そこをターゲットにした商品にできるんだ」という感じでした。それほど我々、漢方を取り扱っている者からしたらメジャーな使い方ではない漢方薬なんですね。とはいえ、全く適応外ということではありません。耳鳴りに当帰芍薬散をおすすめすることもあります。
当帰芍薬散とはどのような漢方薬なのか
当帰芍薬散のパッケージ(クラシエの専門店用)に書かれている効能効果:体力虚弱で、冷え性で貧血の傾向があり、疲労しやすくときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい、立ち眩み、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りとなっています。
更に、神戸中医学研究会の説明をみてみましょう。
適応症:血虚、脾虚湿盛:皮膚につやがない、頭がボーっとする、頭痛、手足のしびれ、筋肉のけいれん、月経量が少ない、月経が遅れる、月経痛などの血虚の症状に、食欲不振、疲れやすい、顔や手足のむくみ、頭が重い、四肢の冷え、腹痛、下痢、大量のおりもの、尿量減少などの脾虚湿盛の症状を伴うものとなっています。
それでは配合されている生薬を見ていきましょう
当帰(トウキ):主役になります。体を温めて血を補う作用があり、更に痛みを止める、便通を良好にするなどの効能があります。月経不順や生理痛、冷え、打撲などによく用いられています。
川芎(センキュウ):体を温めて血液の流れを活性化させます。更に気候の変化などによる痛み(頭痛など)を止めるという作用もあります。
茯苓(ブクリョウ):体を温めも冷やしもせず、胃腸の働きを整えながら、水分の吸収を促し、余計な水分を尿として排泄させます。精神安定効果もあります。
白朮(ビャクジュツ):体を温め、胃腸の働きを向上させ、余計な水分を排泄するという働きがあります。また、汗を止めて肌を強くするという働きもあります。
沢瀉(タクシャ):過剰な熱を取り去りながら、余計な水分を尿として排泄させるという働きがあります。
芍薬(シャクヤク):少し熱を冷ましながら、血を補い、水分の損失を抑制し、心身の緊張を緩和して痛みを止めるという作用があります。
以上を総合して考えると、血を補いながら、胃腸を整えつつ余計な水分を排出させ、筋肉の緊張を緩和させて痛みを止める効果を持つ薬だということが分かります。
補血(血を補う)
健脾(胃腸の働きを良好にする)
利水(余計な水分を排泄する)
緊張緩和(心身の緊張を緩和させる)
という作用ですね。なので貧血傾向で胃腸が弱くむくみがちな方の生理痛や各種自律神経症状がある方に効果があるということが分かります。
この漢方薬が耳鳴りに効くの?
では、この漢方薬が耳鳴りに効果を発揮するのでしょうか。
答えは「限定的ですが効果を発揮する可能性がある」になります。先ほどご説明した通り、血を増やして水分代謝を改善するという働きがあるので、貧血気味で内耳への血流が悪化しており、更に胃腸が弱く水分代謝が低下し、頭部にむくみを生じさせているが故に耳鳴りが発生している場合には効果があると思います。
要するに、めまい、顔色が悪い、月経血が少ない、手足のしびれなどの血虚の症状にむくみや胃がちゃぽちゃぽする、おりものが多い、手足がだるいなどの水分代謝の乱れがある方の耳鳴りに効くということになります。
★漢方で考える耳鳴りの種類
急激な気温の変化
精神的ストレス
加齢による水分保持力低下+ストレス
血の不足
加齢による全身の活性低下+冷え
胃腸の機能低下
精神的ストレス+暴飲暴食による栄養過剰
精神的ストレス+血流障害
当帰芍薬散は4の血の不足や6の胃腸の機能低下、あるいは両方が合わさった時、更にそれに精神的ストレスが加わった時の耳鳴りに適応になりますね。
耳鳴りの原因は多岐に及ぶので、ナリピタン(当帰芍薬散)が全ての方の耳鳴りに効くとは限らないというのが結論となります。血が不足して水分代謝が低下している方の耳鳴り限定で適応になるということですね。
「ナリピタン飲んだけど耳鳴りがよくならない」という方は、適応にならなかったから効かないのであって、自分の体に合った漢方薬ならば効く可能性が高いと思います。
注意したいのが、耳鳴りの原因によっては「体質をじっくりと改善しなければならない」というケースがあるので、適応となる漢方薬を飲んでいても1週間ほどですぐに効くということにはならないことの方が多いです。「原因によって効果が出るまでの期間が異なる」ことを覚えておきましょう。
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