こんばんは^^今日は涼しくなるという予報が出ていたのですが、ふたを開けてみると何となく蒸し暑くて涼しいという表現ではないのかな、と思いました(夜は涼しく感じますが)。
さて、今日は「喉のつまり感に効果があるとされる半夏厚朴湯は本当に効果あるの?」というお題ですすめていきたいと思います。
✅喉のつまり感が生じる原因
逆流性食道炎
咽喉頭逆流症
風邪
咽頭炎
ポリープ・がん
カンジダ性食道炎
咽喉頭異常感症
逆流性食道炎や風邪による咽頭炎、カンジタによる食道炎など喉の「炎症」によるものが多いですね。これらは病院の診察で診断がつきます。治療法も確立しています。
しかし、⑦の咽喉頭異常感症に関しては、目で見ても、検査数値によっても確定されることがありません。なぜかというと外見による変化や血液中の検査数値に変化がないからです。
✅咽喉頭異常感症とは
「のどがつかえる」「しめつけられる」「何かできている」など、さまざまな言葉で表わされるのどの違和感、異常感覚のことをいいます。原因はストレスによるものが多いとされています。漢方では梅核気(バイカクキ)と呼ばれています。ヒステリー球という別名もあります。
この咽喉頭異常感症(梅核気)に半夏厚朴湯が効くとされている
半夏厚朴湯の効能:体力中程度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の症状:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感
これを読むと一目瞭然ですね。ストレスを感じている方の喉の違和感に効果があるということになります。
神戸中医学研究会の処方解説では半夏厚朴湯は①痰飲による胃気上逆、②痰湿による肺気逆、③梅核気に用いると書かれています。
①痰飲による胃気上逆とは、何らかの原因で胃の中に水分が停滞し、その状態の時にストレスが加わり、胃が収縮→胃内の水が上(食道)に上がってくる状態をいいます。気持ち悪い、吐き気、胃のつかえ感、めまい、動悸などを伴います。
②痰湿による肺気逆とは、気管支の炎症やけいれんが生じ、それによって分泌液が増えることにより、上気道に不快感が生じるというものです。咳や白っぽい痰、胸部が苦しい、呼吸が苦しいなどの症状が出ます。
③梅核気は何らかのストレスにより、気道及び食道、胃のけいれんが引き起こされ、そのけいれんによって生じる咽頭部に何かものが挟まっている感じがするという症状です。喉にものがあり、吐いても飲み込んでも取れないという不快感があるが飲食には問題がないなどの症状があります。
総合すると、ストレスによって生じた食道や胃、気道のけいれん及び、けいれんや炎症によって生じる痰飲(水分の集まり)を改善する薬だということがわかります。
✅半夏厚朴湯が適応になる症状
胃腸に水分が停滞(水の音、気持ち悪い、胃もたれがあるなど)があり、それが上の方に逆流してくるという症状がある人
胃腸虚弱+胃腸の不快感
唾液が多い人の喉のつまり感(ヒステリー球)
ストレス+冷え+痰が絡む喉の違和感
ストレス+冷え+痰が絡む咳
個別の生薬を見ていくと更に理解が深まる
✅半夏厚朴湯に入っている生薬とその効能
半夏:温める性質があり、胃腸に入り水分の吸収を高めます。胃腸に作用して内容物が上にあがってくるのを抑制するなどの働きがあります。
厚朴:温める性質があり、胃腸や肺に作用して神経の昂りによる臓腑の緊張を緩和します。消化器の消化促進、水分の吸収促進、冷えの改善、緊張緩和という作用があります。
茯苓:温めも冷やしもしない平性。心、肺、胃腸、腎に作用して水分代謝改善、胃腸の働きを助ける、気持ちを安定させるという働きがあります。
紫蘇葉:温める性質があり、肺と胃腸に作用します。体表部の冷えを除くと共に、胃腸の肺のストレスを取り除いて、吐き気や多痰を改善します。消化不良及び魚とカニの毒を中和します。
生姜:温める性質があり、発汗させて冷えを取り除く、吐き気を止める、食べ物の毒を取り除くという働きがあります。食欲増進、ガスの軽減、脳を興奮させるなどの作用もあります。
以上がミックスされて入っているのが半夏厚朴湯です。
総合してみると
温める効果が強い(胃腸は温めると機能が上がる)
肺や胃腸にある水分を取り除く(胃腸は水分を取り除くと動きがよくなる)
口の戻ってくる水分や飲食物を下にさげる(吐き気や咳の改善)
神経の昂りを軽減する(ストレスがあると胃腸や気道が収縮する)
胃腸の消化がよくなる
などの傾向が強い漢方薬だと結論付けることができます。
これを踏まえると
胃腸や肺に熱がある
陰虚という乾きがある
胃下垂や胃腸の機能低下など内臓の弛緩がある
などがある方には向かない漢方薬だということが分かります。
以上、半夏厚朴湯は咽喉頭異常感症(梅核気)・ヒステリー球に効果があると有名になっていますが、症状や体質によるというのを覚えておく必要があります。なので、実際の服用は専門家に相談してということになります。
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