こんばんは^^朝からとてもいい天気となりましたここ鹿嶋市です。寒く厳しい冬が明けて穏やかな春が来るのはとてもうれしく体も楽になりますが、一方で急な変化によって自律神経に問題が出るという季節でもあります。お気をつけください。
さて、本日は「喉の周辺に違和感(痛みや圧迫感)を感じるというご相談が多数。その原因について」というお題で進めていきたいと思います。
このところ急に喉周辺の違和感に関する相談が増加しています
喉に何か詰まったような感じがする
喉に痛みを感じてその痛みが時間によって移動する
首を手で締め付けれらているような圧迫感がする時がある
喉が締め付けられる→スーッと流れる(不快な感じ)ような症状が連続する
風邪のような症状はないのに喉が焼けるように痛い
などがよくある訴えになります。
✅現代医学では喉周辺の違和感を考えると
咽頭炎・扁桃炎・喉頭炎などの炎症(細菌やウイルスによる炎症)
逆流性食道炎
喉頭がんや咽頭がんの初期症状
咽頭部や口の乾燥
カンジダ性食道炎
ハウスダストや花粉、ほこり、タバコなどの刺激
大声を出す、長時間話をするなどの喉の酷使
飲酒
95%以上は形態的な異常を認めない「咽喉頭異常感症(自律神経の乱れ)」
実際の漢方相談では自律神経の乱れが原因として多くなっている
咳ほどあげた西洋医学的な原因というのは、ご本人で原因がわかる場合が多いです。例えば風邪の場合は自覚症状で分かりますし、逆流性食道炎の時も胃酸が逆流するという不快症状が伴うので分かります。また、アレルギーなども分かりやすいといえます。
漢方ではこのような分かりやすいものを原因別に改善するのはもちろん、西洋医学では「よく分からない」とされている「ストレス」が原因の喉の不快症状を治すことを得意とします。
✅なぜ自律神経の乱れが喉の違和感を引き起こすのか?
交感神経が優位な状態では、食道近くの筋肉が過剰に収縮することで食道が締め付けられてしまいます。 食道が締め付けられることで、喉の違和感や圧迫感、飲み込むときの不快感を感じると考えられています。緊張すると声を出しにくくなったという経験はありませんか?緊張すると食事が喉を通らない…ということはありませんか?これらは緊張によって咽頭部周辺の筋肉が緊張して凝り固まっていることが要因です。
では、なぜ自律神経が乱れる(緊張過多)の状態になるのか
✅緊張する要因
不慣れなことを行う時など直接的な緊張
嫌なことや不安なことを考え続けてしまうことによる緊張
病気や心身の不具合による緊張
月経周期や更年期などホルモンの変化による心身の緊張
辛いものやカフェイン、飲酒など飲食物の影響
エネルギー不足や内臓の機能低下、病気などによる体内のバランス悪化
暴飲暴食や継続的なストレス、便秘などによる不快刺激
過労、睡眠不足
感染症による後遺症
マルチタスク
精神的ストレスによる喉の違和感には半夏厚朴湯という安易な選び方をするケースがありますが、半夏厚朴湯は咽頭部の筋肉の緊張を取り除き、更に心身を温めるという働きがあります。なので、少なからず効果がありますが、一方で過剰な熱が発生している場合には熱症状が助長されて逆に不快症状が強くなったり、陰虚といって咽頭部の乾きを伴っている場合には更に乾燥を助長させてしまうのでよくありません。また、原因を改善している訳ではないので、根本治療にはなり得ないということもあるので万全ではありません。
✅漢方薬の選び方で大事なこと
患部及び体質が冷えているのか、それとも熱(炎症)が沢山ある状態なのか
患部及び体質に余計な水分の停滞があるのかないのか
緊張している時に症状が出るのか、それともリラックスしている時に症状が出るのか
原因がストレスなど体の外にあるのか、それとも病気やエネルギー不足など体の中にあるのか
一過性なのか、それとも心身のバランスの乱れが原因なのか
順番に説明しますね。
①患部及び体質が冷えているのか、それとも熱(炎症)が沢山ある状態なのか
これはとても大事です。体全体が冷えている場合には温めるもの、逆に火照り体質の方には冷ますもの、喉の痛みや違和感が火照ると悪化する場合には冷ますもの、逆に冷えると悪化する場合は温めるものなど、寒熱を間違わないように選択することが大事になります。
(例:温める→半夏厚朴湯、香蘇散など 冷やす→半夏瀉心湯、柴胡清肝湯、大柴胡湯など)
②患部及び体質に余計な水分の停滞があるのかないのか
体質的に余計な水分をため込みやすい人は乾かすもの、逆に乾きやすい場合は潤すもの、咽頭部に痰が多い場合は乾かすもの、逆に乾燥が強く出ている場合には潤すものなどを用いてバランスを整えてあげるようにします。
(例:余計な水分→半夏厚朴湯、半夏瀉心湯など 乾燥→麦門冬湯、麦味地黄丸など)
③緊張している時に症状が出るのか、それともリラックスしている時に症状が出るのか
緊張している時に出る場合には筋肉の収縮が激しいのでリラックスさせる漢方薬を用い、逆にリラックスしている時に出る場合には心身の疲れが伺えるので元気になるような漢方薬を用います。実際には、どちらでもストレスや過労を感じている場合にはストレス緩和をベースとして、ストレス状態が強い場合にはリラックスさせるもの、逆に疲れがある場合にはエネルギーを補うものを足していくようにします。
(例:緊張→逍遥散、柴胡疎肝湯など リラックス→補中益気湯、人参養栄湯など)
④原因がストレスなど体の外にあるのか、それとも病気やエネルギー不足など体の中にあるのか
心身がストレスを感じている原因が例えば仕事のストレスや環境の変化などによる「外側」に原因がある場合は「疎肝薬」と言われる薬で発散する。そうではなく、貧血や病気、胃腸の不具合、過労による心身の機能低下、ホルモン系の疲れなど「内側」に原因がある場合にはその「原因を改善する薬」で調整するようにします。
(例:外側→逍遥散、柴胡疎肝湯など 内側→帰脾湯、天王補心丹など)
⑤一過性なのか、それとも心身のバランスの乱れが原因なのか
一過性のストレスが原因ならば心身の緊張を取り去るような改善法を行い、そうではなく心身のバランスが崩れているが故に出ているならば、心身のバランスをじっくりと整えていかなくてはなりません。このように、原因が一過性なのか、それとも心身の深い部分に原因があるのかを見極める必要があります。
(例:一過性→半夏厚朴湯、半夏瀉心湯など 心身のバランスの乱れ→当帰芍薬散、加味帰脾湯、温胆湯など)
以上、簡単になりますが、喉の違和感に関して私がどのように考えて改善につなげているか、ということの一部についてご紹介しました。とはいえ、これらは一部であり、実際にはそのほかにも様々なことを考えて症状改善を行っておりますが、以上がベースとなるのでぜひ参考としてくださいませ。何をやっても喉周辺の違和感がなくならない…という場合はみやわき健康薬局にご相談くださいませ。
ご相談は直接お越しになる以外にも、お電話、メール、LINEなどで対応しております。ぜひお気軽にご利用くださいませ。 TEL 0299-82-6897(お電話の場合はすぐに対応出来ない場合があります。予めご了承くださいませ) mail miyawaki-kenkou@amber.plala.or.jp LINEはホーム→友だち→公式アカウント→「みやわき健康薬局」で検索してメッセージ下さいませ
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