こんばんは^^今日は暖かかったですね。一日中店の入り口の扉を開けっぱなしにしていましたが、寒いと感じることなく、常時いい感じの風が店内を通り抜けていました。
さて、今回は「春はバカになってプラプラするのが一番の薬」という話題についてご説明していこうと思います。
漢方の世界では、春は自律神経が乱れる時期とされています。
意味もなくイライラする
昼と夜で気分が全然違う
急にどこかに行きたくなる
元気だなと思ったら急に疲れが出る
就寝中に目が覚める、寝つきが悪い
食欲不振や下痢、腹痛が出やすい
免疫が下がり風邪罹患や口内炎などが増える
腰痛やひざ痛などの関節痛がでやすい
冷えやのぼせを感じることが多い
漢方相談でも、以上のような自律神経症状を訴えてご来店される方が急増します。
なぜ春になると自律神経が乱れるのでしょうか。その理由は
寒い冬から急に暖かくなるから
一番寒暖差が大きい時期→交感神経が刺激される
急に暖かくなる→脳への血流が活発になる→脳の活性が高まる
移動などの環境の変化が増える
花や緑が多くなるなどの自然界の変化
更に説明すると、五月ごろになると気温が安定して乱高下しにくくなります。そうなると、頑張ってた自律神経が落ち着くようになります。結果、緊張から解き放たれ、今度は副交感神経が優位となり、だるい、ねむい、朝起きれないといった「五月病」の症状がでるようになります。
そんな春にいいのが逍遥すること
逍遥とは
気ままにあちこちを歩き回ること。そぞろ歩き。散歩。
逍遥という聞きなれない言葉にはこのような意味があります。今で言えば「リラックスする」という意味になりますね。
この逍遥という言葉を取って逍遥散という漢方薬があります。
✅逍遥散の効能効果
体力中程度以下で肩がこり、疲れやすく精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向があるものの次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症、神経症
以上を見ていただけたら分かると思いますが、逍遥散とはストレスを緩和させる(月経など女性特有の症状もありますが)漢方薬だということが分かります。
要するに、心身をリラックスさせて交感神経優位の状態を改善するという漢方薬です。
春特有の気温差や環境の変化によって交感神経優位となっていることによる不快症状を緩和させることを目的とします。
服用することにより、春先(2~4月初旬)のイライラなどの交感神経症状を緩和させ、結果、4月中旬以降に出やすい五月病の発症も予防することができます。
この逍遥散、誰にでも使えるの?
比較的ベクトルが広い処方なのでいろいろな人に適合になる漢方薬ですが、皆に適応になるというものではありません。
逍遥散は肝気鬱結、血虚、脾虚がある方に適応になります。
・肝気鬱結とはストレスによって抑うつ状態になっている状態を指します。イライラ、不安、ため息が多い、喉の違和感、胃腸の不調など精神的症状や自律神経の不快症状を訴えている状態です。
・血虚とは貧血やエネルギー不足の状態をいいます。血液や血液中の栄養成分がうまく人体に機能していないので、めまいや疲れやすい、顔色が悪いなどの症状を引き起こします。
・脾虚とは胃腸の機能低下を指します。食欲不振、下痢、便秘などの不快症状がでやすくなります。
以上、3つの症状がある方に適応になります。
春の自律神経症状に使われる漢方薬は他にもいろいろありますので、逍遥散がいまいち合わないかな…と思った方でもきっと合う処方がありますので、ぜひご相談くださいませ。
それでは今回はこの辺で失礼します。
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