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みやわき健康薬局  宮脇 崇

更年期障害は漢方でいう「内風」と判断して治療するのが正解

更新日:4月8日

こんばんは^^まだまだ寒い鹿嶋市です。先ほど(午後9時頃)犬の散歩をしてきたのですが外気温は5℃でした。朝晩は冷えますので暖かくしてお過ごしください。



さて、更年期障害は漢方でいう「内風」と判断して治療するのが正解ということですが、漢方の世界には内風という独特の考え方があり、その内風の治療を行うことで更年期の症状を軽減するという治療法があります。


更年期症状の症状は多彩です。めまい、ホットフラッシュ、動悸、不眠、イライラ、不安感、発汗、頭痛、肩こり、意欲の低下、冷え、肩こり、疲れやすい、関節痛など様々な症状がでます。


症状の強さも軽度の場合から、重度で普通に生活を営むことも困難になるものまで非常に幅があるという傾向があります。


今回はその原因と漢方による対策法についてご説明します。




更年期と内風の関係



まず内風の説明をしますね。


内風とは風邪(ふうじゃ)の一つ。 風邪とは、自然界の風のように、発病や病態の変化が急であったり、めまいのように揺れ動く症状があらわれたりする病邪をいいます。


要するに、脳が興奮して発生する不快症状のことをいいます。その脳の興奮の原因が体の中にある場合を内風と呼びます(保水力低下などによる筋肉の弱りや血流の悪化などによるふるえやめまいなど、物質的な影響も含まれます。また、体内が原因で引き起こされる体調の急な変化全般も含まれます)


まだよく分かりませんよね。なので例をあげて説明しますね。


通常、急に気温が下がって体が震えたり、強い日差しによってくらくら来たりするのは外気の変化によって脳(自律神経)が反応を起こすのが原因で発生します。この場合は外からの刺激が原因なので外因といいます。


一方で、貧血によって頭がくらくらしたり、老化によってのぼせ+耳鳴りがするのは「体の中に原因がある」ので内因となります。

このように、体の中の原因によって脳が興奮して、例えばめまいや耳鳴り、のぼせ、頭痛、動悸、筋肉のふるえなどの不快症状が出る現象を漢方では内風といいます。




内風には大きく分て2種類がある


内風には大きく分けて2種類があります。一つは陽盛の内風、2つ目はの内風(血虚生風、肝陽化風、陰虚内風)になります。


順番に説明しますね。


①陽盛の内風

陽盛とは虚の要因はなく体内の変化やストレスによって生じる脳の興奮(又は虚はあるものの実という興奮症状が強い場合)です。通常こちらは内風と呼ばない教科書もあるのですが(肝火や心火と判断する)、体の中に要因があり脳が興奮するケースを内風と定義すると陽盛も内風になります。


例えば更年期。更年期になると女性ホルモンが急減します。その変化を脳が「体の異常」と感じ取り興奮します。この状態によって不快症状が出ているものを内風と呼びますが、その時にエストロゲンの減少を陰虚や血虚と一方通行でみるのではなく、元々、血も気もしっかりある方が、エストロゲンの急減という変化によって脳が過剰に興奮している場合には陽盛とみなすという考え方があります。


要するに、陰虚(水分保持力の低下)や血虚(血液や各種栄養の不足)といった「虚」の存在が明らかではなく(虚の存在があっても症状が強い場合も含む)、充実しているけど変化やストレス、暴飲暴食、血流障害などによって脳の興奮→不快症状の発現がある場合には実証(余計なものが原因で症状が出ている)と判断(陽盛)して、余計なものを瀉する(熱を冷ます、脳の興奮を抑制する、便や尿を外に出す、血流の改善など)という改善法を用いるのが正しいといえます。




②虚の内風

血虚(貧血や栄養の不足、循環障害)や陰虚(水分や血液の不足、保持力低下)、腎精不足(生殖に関係する精の不足、栄養不良、慢性病による消耗・老化)など、体全体の栄養や水分の不足により、脳がその不足を感じて興奮又は水分不足によって顔がのぼせやすくなり(水分が体の冷却水なので不足するとのぼせやすくなる)脳が興奮することによって生じる不快症状を虚の内風といいます。


血虚が原因の内風を血虚生風、陰虚が原因の内風を陰虚内風、肝陽化風、腎精不足の内風を陽虚浮越、肝風内動などと呼びます。


脳は更年期やストレスなどで体のバランスが急に変化した時や、老化によって水分や血液が不足した時に「興奮」しやすくなります。その興奮によって動悸やのぼせ、頭痛、耳鳴りなどの内風による不快症状が発生します。





更年期は「急激な変化」なので脳が興奮する



図を見ていただければわかると思いますが、更年期はエストロゲンという女性ホルモンの分泌が急降下します。この急降下は脳が指令して行われている訳ではなく、卵巣の機能低下が原因で発生しています。脳にとっては寝耳に水。いきなり体の機能が変化したのでびっくりして興奮状態になるというのが更年期障害及び内風が生じる原因です。


どの内風として対策するかはその人の体質や症状次第。


更年期障害は内風。では内風の治療をしましょうとなったとき、自分自身がどの内風なのかを知る必要があります。


✅内風の原因

  1. 陽盛

  2. 血虚

  3. 陰虚

  4. 腎精不足


以下、主だった症状と対策をご紹介しますね。


①陽盛

体力の低下や疲れはあまり感じることなく、イライラやのぼせ、激しい耳鳴り、動悸、頭痛などの症状が強い。昼夜問わず体がほてる、ノドが渇きやすく冷たいものを欲するなど。虚が伺えても、症状が強く出ている場合には陽盛とみなして実を瀉する治療を行います。竜胆瀉肝湯や柴胡加竜骨牡蠣湯、温胆湯などを用います。


②血虚

疲れやすい、顔色が黄色くくすむ、髪や爪の乾燥、光が眩しい、肌荒れしやすい、めまいや立ちくらみがあるなどの症状が出やすい傾向にあります。更年期以前からこのような症状が出やすい方が多いようです。以上の症状にプラスして不安感や筋肉がピクピクする、足のつり、動悸などが付随します。婦宝当帰膠+抑肝散や七物降下湯、加味逍遙散、酸棗仁湯などが適応になります。


③陰虚

のぼせやすい、口や目が乾く、肌が乾燥してかゆくなりやすい、真冬と真夏に弱い(具合がわるくなりやすい)、空咳が多い、寝汗をかくなどの陰虚症状にプラスしてイライラしやすい、耳鳴り、動悸息切れ、冷えのぼせ、手足が震える、不眠(眠りが浅い+早起きしてしまう)などの症状が付随します。釣藤散+杞菊地黄丸、知柏地黄丸、天王補心丹などが適応になります。


④腎精不足

冷える(特に下半身)、精力減退、不妊症、無月経、体力が乏しい、無気力、成長が遅い、老化による体力低下、下半身に力が入らないなどの症状に、急にのぼせる、船の上に乗っているかのようなめまい感、疲れるとめまいやだるさ、足が頻繁につる、手足が震えるなどの症状が付随。鹿茸大補湯、八味地黄丸、冬虫夏草+桂枝加竜骨牡蛎湯などが適応になります。腎精不足による内風は男性に多い傾向があります。




これら以外にも様々な原因や対処法があります。なので、内風はちょっと難しいですね。

漢方による改善をご希望の方はぜひ漢方に詳しい薬局又は医院をお探しください。

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