こんばんは^^午後8時現在の外の気温は10℃。風邪が強いのもありますが、とても寒い…と感じます。お互いに体を冷やさないように注意しましょう。
さて、今回は本音で解説。漢方薬に副作用はないのか?という内容でご説明していきたいと思います。
漢方薬に副作用はない
漢方薬は長く飲まないと効果がない
などは完全な都市伝説です。全くそんなことはなく、使い方を誤れば副作用は出ますし、副作用が出やすい生薬なども明らかになっています。なので、できれば漢方薬を取り扱うプロだけではなく、漢方を服用する一般消費者の方々も、ある程度の知識を持っていただきたいと思います。
何例か症例をご紹介します
漢方薬の副作用として有名なのが「小柴胡湯による間質性肺炎」
✅間質性肺炎とは
間質性肺炎はさまざまな原因により肺胞壁に炎症 や損傷がおこり、壁が厚く硬くなりガス交換ができなくなる状態をいいます。
✅小柴胡湯とは
小柴胡湯は鼻や喉、肺などの上気道に生じている炎症を緩和させる作用や、寒くなったり暑くなったりする風邪中期に使用される漢方薬になります。
小柴胡湯による間質性肺炎の発生頻度は2.5万人に1人程度となっています。理由はアレルギー作用によると考えられています。
更に「甘草による偽アルドステロン症」も有名
✅偽アルドステロン症とは
高血圧や低カリウム血症など、原発性アルドステロン症(副腎の病気)と同様の症状が出ているにもかかわらず、アルドステロン高値を示さない病態をいいます。
✅甘草とは
数ある生薬のなかでも漢方薬に処方される頻度がとても高い生薬のひとつ。効能は消炎作用がよく知られていますが、他の薬とよく調和するという目的で多数の漢方薬に配合されています。
甘草を服用することで(多くの場合は1日3g以上を長期に渡り飲み続けた場合)、実際には副腎の病気ではないにもかかわらず、高血圧や低カリウム血症といった症状が引き起こされるという副作用です。大量且つ長期の服用にて高頻度で発生するので注意が必要です。
このように有名な副作用がありますが、ほとんどは誤治といって適応を間違えが事による副作用
先ほどご紹介したものや黄芩による肝機能障害、山梔子による腸間膜静脈硬化症、ウコンによる肝機能障害など有名な事象はありますが、例えば胃もたれや下痢、湿疹などの良く見受けられる不快症状については「誤治(ゴチ)」といって間違った漢方薬を服用したことによるケースが大部分を占めます。
なぜ誤治が出てしまうのかというと、それは漢方薬の性質が原因となっています。その性質とは「適応の範囲が狭い」という性質です。例えばルルなどの総合感冒薬は多くの方の風邪症状に用いられますが、葛根湯はとても適応範囲が狭いです。
✅葛根湯の適応となる病態
風邪の初期(概ね症状発生から3日程度)
悪寒や寒気を感じている
寒気にプラスして背中の凝りや関節痛を感じている
体を温めても汗が漏れださない
✅葛根湯が適応とならない病態
咽頭痛と火照り感がある
寒気を全く感じていない風邪
風邪をひいてから5日以上が経過している
下痢や腹痛など胃腸症状が主の場合
寒気がするものの、ちょっと体を温めると汗が漏れだす
このようにルルに比べると非常に適応範囲が狭いですよね。狭いのは葛根湯だけではなく漢方薬全般にいえることです。適応範囲が狭いということは、イコール間違ってしまう可能性が高くなるということを意味します。使う漢方薬を間違ってしまうとよくない反応が発生します。
例えば、先ほどの葛根湯を例にとりますと、咽頭痛と軽い顔の火照りを訴える方に使ったとします。明らかな誤治です。寒気を感じないばかりか、逆に火照りを感じており、更に喉に炎症がある場合に体を温める葛根湯を用いると、火照りがひどくなって発汗が過多になる危険性や咽頭痛が悪化してしまうことなどの副作用が生じる可能性があります。特に風邪は症状の変化が早く、さっきまで悪寒を感じていたのに、3時間後には火照りと咽頭痛を感じているといったことがあるので、誤治が起きやすいといえます。
漢方薬による副作用を防ぐにはどうしたらいいのか?
✅副作用を防ぐために大事になること
知識のある専門家から購入すること
密に連絡を取れる専門家から購入すること
服用する漢方薬について自分自身で適応になるか調べること
不快な反応が出たら服用するのをやめる&休むこと
長期服用する場合は副作用が出にくい漢方薬なのか確認すること
順番に説明しますね。
①知識のある専門家から購入すること
これは大事ですね。熟練すればするほど多方面から検証して本当に合っているかどうか見る癖がついているので誤治が少なくなります。また、副作用に関しても熟知しているので、どのような漢方薬にどのような副作用があるのか知っているので、お客様に副作用が出ていないか注意するようなります。
②密に連絡を取れる専門家から購入すること
何かよくない反応が起こった時に対応してくれないところよりも、すぐに対応してくれるとところで購入した方が安心しますよね?特に細かく調整が必要な風邪や皮膚炎、こころの病気などの場合は必須となります。
③服用する漢方薬について自分自身で適応になるか調べること
ある程度ですが、自分の分かる範囲内にて自分が服用している漢方薬を調べるようにしましょう。効能効果を見るのではなく、なるべく処方構成などを見て合っているかどうか調べることが大事になります。
④不快な反応が出たら服用するのをやめる&休むこと
自己防衛ですね。漢方薬は全く関係なくストレスや季節の変化、暴飲暴食などで不快症状が出ていることもありますが、それも含めてよくない反応が出た時は一旦やめて様子を見るようにしましょう。
⑤長期服用する場合は副作用が出にくい漢方薬なのか確認すること
例えば甘草や山梔子など副作用が出やすい生薬が含まれている漢方薬(甘草に関しては量に注意する)や温める、冷やす、便を出す、発散するなどの作用がある漢方薬についても、作用が行き過ぎていないか、都度確認して副作用が出ないように注意しましょう。
今回は以上になります。
もっと細かく知りたい!という方はこちらのnote「漢方にも副作用あり!約20年漢方を販売してきて目の当たりにした漢方薬の副作用」にて更なる詳細(約1万9千文字)が書かれています(すみません有料記事1,000円)のでぜひご覧になってみてください。
それではよい週末を^^
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