こんばんは^^今日も気持ちよく晴れてくれましたここ鹿嶋市です。気持ちよく晴れてくれるのはいいけど暑い…。この暑さはいつまで続くのかな?と思って調べてみたら、9月の下旬くらいまで最高気温が30度ある暑い日が続くようです。あと一か月…。皆さん頑張りましょう。
さて、本日は、知っておいて!心身を元気にする生薬「人参」の体内での働きについて、というお題でブログを書いていこうと思います。
皆さん「人参(ニンジン)」って知ってますか?
オレンジ色をしている野菜の人参じゃありませんよ。
漢方薬で用いる「オタネニンジン」のことをいいます。
補中益気湯、人参養栄湯、人参湯、帰脾湯、麦味参顆粒など、主に「心身を元気にする」漢方薬に主役として配合されています。
この人参の体内の働きについてご説明します
中国の医学書に書かれている人参の効能は「元気を大いに補う、胃腸と肺の働きを補う、水分保持力を高めて乾きを止める、精神を安定させ脳の活性を高める」になります。
このような作用により
出血があり心身が弱っている時
胃腸が弱く食欲不振が慢性化している時
動くと動悸息切れや多汗となり疲れてしまうケース
暑熱の環境による心身の疲れ
心身が衰弱しているものの不安感、動悸、不眠
栄養不良及び元気がないものの目が見えにくいという症状
心身が弱り、さらに貧血傾向で体が冷えやすく動きたくない、動けない
低血圧気味で元気がなくめまいを感じやすい
などに用いられることが多い生薬です。
では、人参はどのようなメカニズムによってこのような作用を生じさせるのでしょうか。
それを端的に説明すると
中枢神経系に作用して脳を興奮させる
心臓と血管に作用して興奮させる
副腎に作用してコルチゾールという血圧上昇、血糖値上昇、保水力向上、男性ホルモン刺激(心身を元気にするホルモン)の分泌を活性化させる
造血機能を活性化させる
食欲を増進させる
心身の各細胞の合成を促進させる
抗利尿作用によって体全体の保水力を高める
などの作用が代表的な働きになります。
漢方薬って「何となく元気にするだけ!」のようなおまじない的な理解の方が多いのですが、このように科学的に効果が立証されているものがほとんどなんですよ。
実際には「それがどのくらいのレベルで有効率はそれくらいなのか?」ということが大事であり、その効果の有無が薬になるかどうかを左右するのですが、漢方薬は「症状や体質によって効果の出方が異なる」という特性があるので、ハッキリとした有効率が出ないという曖昧な面もあります。
とはいえ、様々な医学書や先人の先生方の実例、そして私が20年間お客様にお出しした経験をもとに結論を出させていただきますと「医薬品同様によく効く」になります。
最大の強みも弱点も「交感神経刺激」
先ほどの人参のメカニズムにて「中枢神経系に作用して脳を興奮させる」という項目がありました。脳を興奮させるとは元気にするということになるので、心身を元気にするという効果をもたらしますが、一方でストレス状態にするということにもなるので、興奮しやすい方やストレスによってイライラがある方が用いると「症状を余計に悪化させてしまう」という危険性もあります。
薬なので、効果をあれば注意点もあるということになります。
要するに「適している方が服用すれば薬になりますが、適していない方が飲むと毒になる」ということになりますね。
巷では、人参を「元気のない方に」「精力の低下に」などの目的で不特定多数の方に販売している(通信販売などで)という現状がありますが、以上のようなメリットデメリットがあるので「誰でも飲んでいい薬ではない」ということを覚えておきましょう。
気を付けて服用した方がいい方
血圧が高い方
ストレスを感じていてイライラが強い方
心身が元気で食欲旺盛、さらに体が熱っぽい方
火照りがある方の不眠
神経過敏で胃痛や不眠、動悸などが出やすい方
むくみやすい方
ストレスや飲酒、辛い食べ物などで動悸がする方
火照りやイライラを伴うめまいや頭痛がする方
風邪をひいている時で火照りや咽頭痛、動悸、頭痛がある時
食欲が亢進している時
これらは普通に考えればわかりますよね。
興奮症状や水分が体の中に過剰にあるとき、熱が過剰な時に用いると、それら症状が悪化してしまうので人参は用いない方がいいということになります。
ただ、「体力が低下しているがゆえに情緒不安定になっている」「動悸が出ている」という場合もありますので、一概に上記の症状があるときは人参はNGということではありません。人間の体は単純ではありません。なので、体質や原因によってはイライラや動悸、不眠に対して人参を使って改善するというケースもあります。なので我々プロも悩むことが多いんですね。
※注意
注意したいのが、人参の配合が「必ずしも効能や注意点になり得ない」ということ。
漢方薬は様々な生薬が配合されています。麦味参顆粒や人参湯のように主役で配合されているものについては効能や注意点を気にして考える必要がありますが、一方で小柴胡湯のように清熱作用を持つ柴胡やオウゴンが主で人参が補佐として配合されている場合に関しては、温める作用や保水作用、脳を興奮させる作用が相殺され、胃腸の働きと乾燥のしすぎを防ぐ目的で用いられていることから、さほど効能及び問題点を重視する必要はないという違いがあります。なので、作用や注意点については「プロに任せる」ようにしてください。
今回は以上になります。ミスター漢方薬といっても過言ではない、漢方を代表する人参についての説明となりました。一言で申し上げると、薬なので効能があれば注意点もあるということになりますね。ぜひ参考にしてくださいませ。
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