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みやわき健康薬局  宮脇 崇

胃酸を抑制させることによって生じるデメリット



さて、今日は「胃酸を抑制させることによって生じるデメリット」というお題で書き進めていこうと思います。


皆さんガスターなどの胃酸抑制剤って知ってますか? ストレスや過食などによって胃壁に炎症や傷がつき、その傷を早く治すために、胃酸の分泌をストップさせる目的で処方される薬です。


このように素晴らしい薬ですが、一方でデメリットもあるようです。




胃酸を抑制させることで生じるデメリット

先ほど、胃酸を抑制する薬には胃の病気を治すために使われると説明しましたが、一方で胃酸を抑制させることによるデメリットもあります。


✅胃酸を止めてしまうことによるデメリット

  • 消化吸収が悪くなる→消化不良や下痢が多くなる

  • ミネラルがイオン化されないので吸収されない→ミネラル不足や貧血、骨粗しょう症

  • 雑菌やウイルスが死滅しにくくなる→感染症にかかりやすくなる、肝炎、認知症リスク増

  • 腸内環境の悪化→全身の免疫低下、栄養状態の悪化

  • 肝臓や腎臓への悪影響増大→機能低下


以上、ちょっと書ききれないのでこの辺にとどめますが、胃酸は役割があって分泌されています。


✅胃酸の役割

  • 食べ物を消化する

  • 食べ物中の雑菌、ウイルス、毒性物質を殺菌する

  • ミネラルを吸収されやすい形に変換する

  • 胃壁を保護する(胃酸には胃壁を保護するという働きもあります。よって抑制しすぎると胃が荒れやすくなるという状況が作り出されます)


このような重要な働きがあるので、それをストップするということなので、それなりのデメリットが生じるということは容易に理解できます。




それでは胃酸抑制剤は悪なのか?

では、胃酸抑制剤は悪なのでしょうか?


答えはNOです。全く悪ではありません。というか善です。 なぜかというと胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの病気の改善に役立つからです。


医師の診断により、疾患の治療として使われる薬です。胃酸抑制剤が開発されたことにより、多くの患者さんが救われるようになり、胃腸疾患で悩む患者さんの状況が劇的に変わったといわれています。よって素晴らしい薬だと思います。



しかし、先ほどのような「胃酸を止めてしまうことによって生じるデメリット」もあるので、繊細な使い方が必要になる薬といえます。


もちろん、医師が必要と判断して治療目的で投薬されている場合は問題ありませんが、一方で薬局で自己判断で購入している方もいらっしゃいます。


この場合には「不適切」に利用されている可能性があり、その場合にはメリットよりもデメリットが勝ってしまうことが危惧されます。




胃腸の調子が悪いのならば原因を改善することを行う


胃腸の調子が悪い場合には、薬と併せて原因の改善も行う必要があります。


✅胃腸の調子が悪くなる原因

  • 不規則な生活

  • 寝不足・過眠

  • 食べ過ぎ

  • 飲みすぎ(アルコール及び水分)

  • タバコ

  • ピロリ菌

  • 早食い

  • 甘い物、脂っこいものの摂りすぎ

  • 冷たいものの摂りすぎ

  • ストレス

  • 薬やサプリの影響

  • 各種胃腸病

  • 各種慢性疾患

  • 老化、衰弱、体力低下

などがあります。


もし、胃がんだとしたらがんの治療を優先させますよね?胃酸抑制剤のみで治療し続ける人はいないと思います。それと同じで、原因があるならばそれを改善するというのが不快症状を治す近道です。


仮に冷たいものを飲みすぎているならば、それをしばらくやめることで治すことができます。

胃酸抑制剤は単に症状を抑えているだけであり、原因を改善しているものではありません。まずこれが基本です。




漢方では「調整する」という治療を行う

胃腸疾患を改善するには漢方薬を選ぶという方法もあります。


✅漢方による胃腸疾患の改善法

  • 胃腸の機能が低下している場合には神経を刺激して動きをよくする

  • ストレスによって胃液の分泌が多い場合は胃液を抑制する

  • 体質虚弱や老化で胃液の分泌が足らない場合は消化酵素(イオン化にも役立つ)を補う

  • 炎症や熱がある場合には取り去る

  • 冷えている場合は温める

  • 胃下垂がある場合には持ち上げる

  • 緊張している場合には緩和させる

  • 他の臓器が原因している場合には調整を行う

など、胃酸を止めるというのではなく、原因を特定して「機能を調整する」ということを目的とします。


特に慢性的に胃腸の調子が悪い、原因を改善しても治りにくい…という場合には、胃酸を完全にストップさせてしまう薬よりも、漢方の方が合っているかもしれません。




リスクと理由を考える

いろいろと忙しいので考える暇はないと思いますが、最低限、薬のリスクと不快症状の原因を考えることが大事になります。


医師に全てを任せる。これは大事だと思います。患者が変な知恵をつけて、薬の使用を拒否するなどがあると、治る病気も治すことができません。


一方で、信じながらもリスクを考えていくということは大事なことです。今はセカンドオピニオンという言葉もあり、患者が考えて選択するということが行われるようになってきました。


ネットでも調べること、相談することができます。もちろん、真偽が大事になりますが、信頼のおける情報かどうかはある程度ふるいにかけることも可能となっているので、上手に利用することで有意義な情報を得ることができます。


先ほどご説明しましたが、大事なことなのでもう一度書きます。

胃酸抑制薬は疾患を改善する薬です。よくない薬ではありません。


あくまでもこんなリスクがある、ということをご紹介させていただきました。


皆さまの健康がよりよいものとなるようにお祈り申し上げます。





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