こんばんは^^引き続きいい天気が続いていますね。秋は暑くもなく寒くもなく本当にいい季節です。
さて、今回は「認知症はなってから改善するのはなく予防が大事」というお題でおすすめしていこうと思います。
認知症といえば、つい最近エーザイと米バイオジェンが共同開発した「アデュヘルム」という薬がニュースで話題になりましたよね。
医薬の世界は日進月歩、日々進化していますので、そのうち認知症になった後でも治るような夢の薬ができるかもしれませんね。
しかし、今現在、そのような夢の薬は存在しないようです…。
2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者です。
この重い現実に対して漢方薬はどのような役割を果たせるのでしょうか。
漢方は予防で認知症に対抗する
認知症とは何でしょうか。私は脳の老化だと思っています。
老化すると筋肉は痩せ細ります。肝臓は色は明るい茶色から暗い茶色に変化し、サイズは次第に小さくなり、血流量も減少していきます。
これらと同じように、脳も老化によって萎縮してしまいます。萎縮すると当然のことながら機能が低下してしまうので、人によっては痴呆のような症状が出ることになります。
大雑把に説明するとこんな感じですが、実際には脳出血などによる細胞壊死、レビー小体による神経細胞壊死、老人斑や神経原線維変化による細胞死滅などが主な原因となります。
いずれにしても脳細胞が委縮、壊死しているのが原因なので、それを再生させない限りは認知症は改善させることができないということになります。
脳細胞の再生は果たして可能なのでしょうか?
こんないい方したら怒られそうですが、私は改善させるのは容易でないと思います。それは「老化現象」だからです。
脳細胞の再生は若い方でもかなり難しいといわれているのに、代謝が低下した高齢者に可能なのでしょうか。難しいと思います。なので、認知症が発症している場合、現段階では画期的な医療の進歩に期待するしか手はありません。
以上のような困難な病に対して漢方は予防で立ち向かいます。
要するに、認知症にならないような体にするのです。
そんなことできるの?と思う方がほとんどだと思いますが、漢方には老化による不快症状を体の機能面から改善するという方法があり、脳の老化及び機能低下を抑制することに対して有効です。
✅脳が老化する原因
胃腸からの栄養吸収低下
肺からの酸素吸入不足
肝臓機能低下(栄養の合成、毒性物質の分解排泄機能低下)
腎臓の機能低下(ホルモンの合成、水分代謝、毒性物質の排泄、栄養の再吸収)
心機能の低下(血流が滞る)
以上五臓を含めた心身の活性低下(栄養の補給及び老廃物の回収が出来にくくなる。脳細胞の機能低下)
ホルモン系の機能低下(心身の活性低下)
抗酸化作用の低下(脳細胞の炎症)
免疫の低下(歯周病菌繁殖や脳細胞の炎症)
動脈硬化(脳出血、血流障害、アミロイドβ沈着などの原因に)
漢方療法では、これら要因を改善して心身のバランスを正常に戻すと共に、老化による心身の衰えを「心身の機能を補う」という目的で役立てていきます。
✅まとめますと、胃腸疾患など明らかな問題がある場合にはそれを改善するようにします。その上で、特に異常がない場合でも、老化による心身の機能低下を補っていくようにして、脳が委縮しないようなお手伝いをします。
漢方では未病の段階で治すことが最善とされています
漢方では未病と言って、まだ病気は発症していない、でもバランスは乱れていて何となく調子が悪いという状態の時に治しておく、そうすることで早く簡単に治すことができるという考え方があります。
例えば大腸がん。大腸がんは小さなポリープが段々と大きくなりがんへと発展していきます。小さな何の悪さもしないポリープのうちに取っていれば、それで完治。大きな手術も必要ないですし、当然、命に関わることもありません。しかし、放置していれば、やがてがん化して命を脅かす存在になります。大きな手術で何日も入院しなければなりません。
漢方でいう未病はこのポリープの段階で治しておこうということと同じです。もっといえば、ポリープになる前段階の時に、不摂生や運動不足を改善してポリープができない体にしておこうという考えです。
認知症も同じです。ちょっと物忘れがする、このところ老化で頭の回転が鈍っている…という時に、全身の代謝を活発にする補腎薬や補気薬、そして活性酸素を取り除いて血流を活発にする活血薬などを服用することは、認知症を未病のうちに治療することになります。
その他、日常生活において食事のバランスに気を付けることや、適度な運動、人付き合いを欠かさないなども大事になります。
漢方はこのような考え方で認知症に役立てることができます。非常に有効な方法なのでお悩みの方はぜひ漢方療法をお試しくださいませ。
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