こんばんは^^昨日、今日と生暖かいようなちょっと変な陽気ですね。寒いと思って着込んだものの、途中で暑くてやっぱり脱ぐ…という日が続いています。
さて、今日は「貧血と風邪罹患率の関係性。そして漢方薬の役割」というお題で書き進めていこうと思います。
皆さん風邪大丈夫ですか?
季節の変わり目ということで風邪を引いている方が急増しています。お気をつけくださいませ。
貧血と風邪を引く確率は関係あるの?
結論から申し上げます。 貧血があると風邪を引く確率は間違いなく上がります。そして治りにくくもなります。
貧血というといろいろな種類がありますが、今回ご紹介するのが一般的によく見受けられる「鉄欠乏性貧血」になります。
✅鉄欠乏性貧血の主な原因
月経過多(子宮筋腫、子宮腺筋症など)
痔
胃などの消化管からの出血
がんからの出血
など、体外に血液が漏れ出すことが原因となって発症します。
その他、極端なダイエットや摂食障害、偏食など、「口から入る栄養素」が足らないことや、加齢や更年期による代謝の低下、腎臓病などの各種疾病によっても引き起こされます。
これら原因によって貧血があると、免疫力が低下するので風邪を引きやすくなり、治りも悪くなります。
なぜ免疫力が低下するのか?
免疫細胞も一つの細胞です。いってみれば小さな人間と同じです。 その小さな人間に栄養が運ばれてこないとどうなってしまいますか?当然、弱ってしまいます。
赤血球は全身に酸素を運んでいます。貧血によって赤血球が少なくなると、免疫細胞が受け取る酸素の量も減ってしまうので免疫細胞の活性が鈍くなってしまいます。
更に、弱るのは免疫細胞だけではありません。心臓や脳、腎臓、肝臓などの重要な臓器はもちろん、骨髄や筋肉など全ての細胞が弱ってしまいます。すると、全身の細胞が弱るということになるので、免疫細胞が受け取る栄養素の減少、免疫細胞(白血球)が生まれる数が減るなどの直接的要因から、ウイルスや細菌が浸入する粘膜の強度が下がる、ウイルスを洗い流す唾液や鼻水の分泌が低下するなど間接的な影響も出てきます。
✅免疫及び体力が低下ことで生じやすくなる病気、症状
鼻炎
副鼻腔炎
気管支炎
気管支喘息
肺炎
咳が止まらない
倦怠感が続く
実際に貧血のお客様は風邪に弱い
実際に鉄欠乏性貧血をお持ちの方は風邪を引きやすいという傾向があります。
✅私の経験で免疫が低下している方の特徴
子宮筋腫で月経過多症となっている方
過度のダイエットが原因で栄養が足りていない方
術後で体力が消耗&貧血がある方
腎疾患で貧血が生じている方
などがある方は風邪が引きやすく治りにくいという傾向があります。
先日お越しになったK様は更年期障害によって貧血症状が出てから急に風邪にかかりやすくなり、当店に何度も風邪薬をお求めにご来店されました。季節問わず月に1~2回のペースで風邪をひき、そしてそれが長引いていつも気管支炎に発展します。漢方薬もあまり効きません。なので最終的には病院で治療されていました。
そんなKさんにある日「貧血を改善してみませんか?」とご提案して、漢方薬+アミノ酸製剤で体質改善しました。約半年の服用で数値が正常値になった途端にピタリと風邪をひく回数が減少しました(年に1~2回程度まで減少)。そして風邪を引いても3日分の漢方薬の服用でピタリと改善するようになりました。
貧血に限らず「体のエネルギーを満たす」ことが大事
今回は貧血と免疫についてご紹介しましたが、風邪が引きやすくなる要因は何も赤血球に限ったことではありません。
✅赤血球以外にも不足すると免疫低下につながるもの
免疫の材料になるアミノ酸(たんぱく質)
エネルギーを生み出す触媒及び抗酸化に役立つ各種ビタミン(ビタミンB群、A、C、D、E)
血液や細胞に欠かせない水分
細胞のエネルギーになる糖質及び脂質
細胞の健康維持や脱水予防に必要な各種ミネラル
腸内環境維持に役立つ食物繊維及び発酵食品
心の栄養(やる気、元気、睡眠)
これらの栄養素も過不足なく摂ることが大事になります。そして心の栄養の欄でも書きましたが、適切な休養をとって日中に元気を維持できるようにする、人生に目標をもって元気を維持する、体を冷やさないなども大事になります。
漢方薬の役割
先ほど貧血の改善例のところでご紹介しましたが、漢方薬には優れた貧血改善効果があります。鉄剤の服用とそん色ないレベルで改善することが実験などで明らかになっています。
✅漢方での貧血改善方法
単純に栄養だけが足りない場合は血液を増す働きの漢方薬を用いる
胃腸の機能が低下して食べ物をうまく吸収できない場合には胃腸の機能を高める
骨髄での赤血球作成がうまくいっていない場合には細胞増殖作用のある人参や田七人参、補腎薬を用いる
出血や炎症がある場合にはそれを止める
ストレスで自律神経が乱れている場合にはストレスの緩和
各種子宮疾患がある場合にはそれに適した処方を
などの方法を用います。
更に赤血球以外にも体のエネルギー及び元気が低下していると風邪に罹患しやすくなるので、そちらの改善も同時に考えていくようにします。
✅体全体のエネルギー低下に用いる漢方薬
胃腸が弱くエネルギーを吸収できない場合は胃腸の改善(補中益気湯など)
食事のバランスが悪い、又は代謝の低下によってエネルギーが足りない場合にはエネルギーの補給(婦宝当帰膠など)
腎虚といって細胞分裂が衰えている場合は補腎薬(͡コ菊地黄丸など)
ストレスによって自律神経が乱れている場合(加味逍遙散など)
冷えによって代謝が低下している場合の改善(ウンケイトウなど)
全身の衰弱、機能低下がある場合の改善(人参養栄湯など)
このようにケースバイケースの漢方薬を用いるようにします。
また、生活習慣における改善もアドバイスします。
以上、非常に簡単ですが、貧血と風邪を引く確率との関係性。そして漢方薬の役割の説明になります。
貧血があると免疫が低下して風邪を引きやすくなります。当然ですが、新型コロナウイルスにも罹患しやすくなります。そして重症化しやすくもなります。
なので、しっかり改善しておくことが大事になります。
貧血は出血を止めるなどの原因の改善、そして赤血球の材料となる
鉄
たんぱく質
をしっかり摂るようにします。
そして貧血だけではなく、その他栄養素もしっかり充填させていくことも大事になります。
太りすぎは逆効果になりますが、栄養不足もリスクになることを覚えておきましょう。
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