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みやわき健康薬局  宮脇 崇

咳に用いる漢方薬の見分け方は「痰の有無」が決め手

こんばんは^^あけましておめでとうございます。本年も当ブログ及びみやわき健康薬局をよろしくお願い致します。

さて、今回は年末からインフルエンザを含めた各種風邪が大流行しているので「咳に用いる漢方薬」についてご説明していきたいと思います。

漢方薬を取り扱うものにとって一番大事になるのが「痰の有無」です。 そして「痰の質」も大事になります。

今回は咳の中で大事になる「痰」を中心に見合う漢方薬のご説明をしてまいりたいと思います。



痰は感染を意味していることが多い

痰が発生するということは、気道に炎症などの刺激があるか、もしくは化膿があるかの可能性が高くなります。

痰は気道から出る分泌物です。 健康な人でも常に少しずつ出ていますが、普段は気道表面から再吸収されたり、のどまで上がってから無意識に飲み込まれたりしているのであまり意識されません。

しかし、粘膜表面に強い刺激や炎症があったり、風邪、細菌及びウイルス感染などがあり感染から体を守るために、血液成分の1つである白血球(好中球)が活発に働き、好中球の残骸と痰が混ざるなどがあったりすると痰が増加します。

痰が出る場合で多いのが風邪や副鼻腔炎などのウイルスや細菌感染です。

その他、後鼻漏(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、風邪の後遺症などで発生)やCOPD(タバコ肺)、喘息などでも生じることがあります。


黄色い痰は感染症の疑いが濃厚 痰の色が黄味や緑を帯びるのは、白血球の中の好中球に多量に含まれるペルオキシダーゼと呼ばれる酵素の色調のためです。風邪や副鼻腔炎などによって感染症が引き起こされていると、好中球が大量に動員されるので黄色や緑といった色のついた痰が出やすくなります。一般に、ウイルスよりも細菌のほうが膿性の痰や鼻汁が発生しやすいと言われています。


一方で痰が出ない乾いた咳は感染後に出ることが多い

痰が出ないということは、白血球や細菌の死骸が出ていないということなので、すでに細菌やウイルスといった病原菌はいなくなっている可能性が高いです。病原菌はいなくなっていても、炎症や粘膜の荒れは残っているので、その刺激によって咳が発生します。

特に高齢者などで「体を潤す水分量が不足している」+「粘膜の生まれ変わりが遅い」といった条件が揃うと、風邪罹患後の粘膜の修復がうまくいかなくなるために空咳が長引く傾向があります。

また、咳喘息や百日咳、心因性咳嗽などで咳が出続けることもあります


さらに、咳が憎悪する時間によって理由が異なる 日中は仕事や勉強などで交感神経が刺激されることが多いので、ストレスや温度差などの刺激によって出やすい咳は日中に多くなるという傾向があります。一方で夜間は血流が悪化したり、気管支が緩んだり(気道が狭くなる)する傾向が強まりますので、血流悪化や体全体の水分保持力低下、新陳代謝の低下、気道の弱りなどがあると悪化しやすくなります。



以上のような原因によって適応となる漢方薬は変わってきます

当然ですが痰の有無や状態によって用いる漢方薬は違ってきます。

①痰が多いが色がついていない時(痰や鼻汁の量が多い)

・風邪の初期で悪寒や冷えを伴う場合:小青竜湯、参蘇飲、麻黄附子細辛湯 ・風邪中期(感染3~4日以降):平喘顆粒、柴胡桂枝湯、二陳湯 ・慢性的に痰が多い(後鼻漏なども含む):六君子湯、参苓白朮散、平胃散、補中益気湯 ・タバコ肺:麻黄含有製剤、清肺湯、ケアピローサ


②痰が多く黄色~緑に着色されている

・風邪初期~中期で咽頭痛を伴う場合:銀翹散+五虎湯 ・風邪初期~後期:五虎湯、麻杏甘石湯、五行草、白花蛇舌草 ・風邪感染時で夜になると出る:五虎湯、麻杏甘石湯、神秘湯 ・痰が粘っこくて出しにくい:竹葉石膏湯、滋陰降火湯、五行草、白花蛇舌草


③痰が少ない又は無痰で風邪感染後に出る咳

・冷えや体力低下を伴う:麦門冬湯 ・喉の渇きや軽度の痛みを伴う:一風飲、竹葉石膏湯、五行草 ・夜、横になると出る:一風飲、麦門冬湯(or竹葉石膏湯)+五虎湯(or麻杏甘石湯) ・イライラや火照りを伴う:滋陰降火湯、竹葉石膏湯 ・日中にせき込みが多い+イライラや刺激で咳が出る:抑肝散加陳皮半夏、柴胡加竜骨牡蠣湯、桔梗石膏 ・慢性的に空咳が出る:八仙丸、知柏地黄丸、杞菊地黄丸、麦門冬湯、麦味参顆粒、冬虫夏草、双料参茸丸

このような使い分けが一般的ですが、その人の体質や症状というのは微妙に違うために、その都度、見合うものに変更することが多いです。実際に漢方薬を用いる場合には、専門家に相談してからにしてください。


今回は以上になります。

ぜひ参考にしてみてください。咳でお悩みの方はみやわき健康薬局までご相談くださいませ。




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