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みやわき健康薬局  宮脇 崇

高齢者ではなく、働いている人々にワクチンを打った方がいいという気運について

「高齢者ではなく若者のワクチン接種を優先させるべき」という気運が

今週から医療従事者に加えて高齢者へのワクチン接種が始まりました。


厚労省によると

4月12日に開始されました。実施する市町村や接種する人数はまだ限られておりますが、順次拡大していきます。5月以降には多くの高齢者の方々に接種を受けていただける見通し 新型コロナワクチン接種についてのお知らせ

このような予定となっているようです。


医療従事者と高齢者の次が「高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方」がワクチン接種の対象となり、次にそれ以外の方というような流れになっているようです。


このような流れに対してネットなどでは「高齢者ではなく若者の接種を優先すべきだ」という声が出ています。



✅若者のワクチン接種を優先すべき理由として挙げられているもの

  • 仕事で外に出て稼がなければならないから

  • 一方、高齢者は年金があるので出る必要性がない

  • 若者は税金などをたくさん納めている

  • 一方高齢者は逆に医療費など税金を浪費している

  • 若者は先が長い

  • 高齢者は先が短い

  • 高齢者はワクチンを打たなくても他の疾病で亡くなる率が高い

  • 若者は病気しないのでコロナワクチンの有用性が高い




全て理に適う理由となっている

以上の理由が全て理に適ってます。うん、そうだねと言いたくなります。


しかし、何となく腑に落ちません。


これが完全なる不治の病をもたらす猛毒のウイルスであり、感染すると間違いなく死ぬ、というものなら「種を残す」という意味でどうしようもなく若者がワクチンを打つ必要があるような気がします。


しかし、今回のウイルスはそうではありません。現在出回っている変異ウイルスは感染しやすく、更に毒性が高いという傾向があるようですが、それでも若者は軽症で済むという割合が高いです。


感染しても若者は重症化しにくい、そして感染を予防することが「ある程度可能」ということを考えると、「種を残す」ことを目的とするほどの事態ではないと考えられます。




一方で経済が死ぬと生活できなくなる人も

マクロ的に考えると人類が滅亡するほどの強毒性ウイルスではない、そして国がお金を刷って経済を支えているということもあり、何とか経済が持ちこたえている(倒産件数も少ない)感じとなっています。


2021年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が634件(前年同月比14.3%減)、負債総額は1,414億5,300万円(同33.5%増)だった 2021年3月の全国企業倒産634件

しかし、一方で働いている場所の倒産などで職を失い、収入を借入に頼っているという人も急増しています。


日本の自殺者数が、11年ぶりに増加に転じた。女性、そして若者の「生」が脅かされたのが特徴 11年ぶりの自殺増 手を差し伸べれば私たちも救われる

このように自殺者も増加しており、社会的弱者にしわ寄せが行っているという現状が見え隠れしています。


コロナによって収入を奪われ、更に知識がないので補助金や借入を申請する術を知らない、今は貯金を切り崩したり、失業保険によってどうにか生き延びているという人も増加しているのではないでしょうか。


なので、早く現役世代がワクチンを打ち、経済が復活して欲しいと願う気持ちは痛いほどよく分かります。




しかし、倫理面を考えると…


皆さんいかがですか。

家には小さい子供と体の弱い母親、そして40歳で体力には自信がある自分がいます。最初に妻がインフルエンザに感染しました(病院で検査済みで現在は服薬にて緩解)。


その後、子供と自分、そして母親が同じような症状が出ました。明らかにインフルエンザです。今日は土曜日の午後、すでに病院の診療は終わっています。明日は病院は休み。


この状況で妻が飲み忘れた抗インフル薬が2回分(1回吸入すればOKのやつ)余っていました。


どうしますか?


月曜日から仕事いかなければならないので俺が薬を飲む!

そして子供も学校なので治さなければならないので薬を飲ませる。


母親は仕事も何もないので薬は飲まなくてもいい。寝ていればいい。


このように言えますか?


もちろん、現在のワクチン接種とは状況が全然異なりますが、倫理観としては似てますよね。


極論すると「経済VS命」ということになりますが、言うまでもなく命を優先すべきだと私は思います。経済に関しては国が手厚く援助しています。(本来ならばもっと細かくケアしなければならないと思いますが)



高齢者を優先しないと「医療崩壊につながる危険性も高まる」という懸念もあります。

北斗の拳の世界のような状況で生きるためなら何をしてもいいという状況ならまだしも、現代では病気の人を放置するということは許されません。よって、感染して重症化する高齢者を後回しにすると、必然的に病院で治療する人が増加してしまい医療崩壊のリスクが上昇します。


「高齢者は年金があるのだから家にこもって出てこなければいい」という意見もありますが、仮に外出禁止にしたとしても、若者との接点を皆無にする(買い物などで接触するし一緒に住んでいる人もいる)ことは不可能です。また若者が媒介することも考えられる(ワクチンは完全に感染を予防できるというものではない)(一部の感染者が高齢者施設などに感染を広めてしまう危険性もある)。




以上、どちらが合っているのか分かりませんが、私は今のところ(国がもっと細かく対応していくべき。しかしこちらもマンパワーを必要とするので限界があるのも確か)、高齢者のワクチン接種を優先すべきだと思います。


やはり本能としてある「弱者を助ける(人類が発展できた理由)」ということを前提とすべきだし、医療や医療費の負担などを考えても高齢者優先という意見になります。


とはいえ、今を生きる若者たちの意見も尊重します。高齢者の外出をなくし、若者がワクチンを接種して経済を回せば、理論上は全て解決します。上に書いたようにいろいろできない理由がありますが、できるように対策を打てばどうにかなりそうな気もします。



ということでよく分からない結論となりました。あなたはどう思いますか?





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